教育移住という言葉をご存知ですか?
私が初めて耳にしたのは実は最近なのですが、留学との違いはやはり期間の違いにあります。移住といっても帰国してもいいし途中で別の国に移動してもいいし、あくまで親の覚悟が教育移住という言葉に表れていると思います。
私の場合、一番最初に興味を持ったのはインドネシアのバリ島ウブド近郊にあるGreenSchoolです。
度々ニュースなどでも紹介されているので知名度は高い学校ですが、3才から高校生まで通うことができる学校でエコスクールとして非常に新しい取り組みをしています。
現地の竹と木材で作られた壁のない教室はインパクト大ですね。私もバリ島が大好きですので一目見て興味が出ました。地球で人類がどう暮らしていけばいいか考え学び、実践できる人材育成を目指したパタゴニアのような精神で、もうその学校の存在自体が今後人間は何を豊かとするべきかを考えさせられます。
子供に地球規模で物事を考えられる大人になってほしいという思いからGreenSchoolへの興味も失ってはおりませんが、世界ではどんな教育がされていて体感できるのはどの国なのだろうという好奇心から海外への教育移住をリサーチし始めました。
我が家は特に裕福でもなくあくまで庶民目線になりますが、子供の通う学校は?ビザはどうする?費用は?ハードルが低い国はある?などまとめました。ぜひ参考になさってください。
アメリカ・イギリス 新学期は9月
アメリカは法律的に12歳以下の子供を一人にすることはできず、また子供だけでビザを取得することは難しい現状です。親がグリーンカードおよび就労ビザや学生ビザを取得し、そうして子供もやっと学生ビザを取得できます。
公立校は費用は無料のようですが、居住地の学区域が優先かつ定員あり、入りたい学校に入れるとも限らず、外国人はインターナショナルスクールや私立校に入るのが一般的なようです。
学費は学校によって様々ですが、アメリカもイギリスも年間200〜300万円程度のところが主で日本と同じような価格帯と言えます。ニューヨークやロンドンなどの大都市は様々な国籍の人が多いので、地方都市に比べてESL(English as a Second Language)やEAL(English as a Additional Language)などの英語力に不安がある生徒へサポートがある学校も多いようです。
イギリスは格式高く形式が多そうな印象でしたが、ウェルビーイング(子供や保護者の心のケア)に力を入れているのも固有の特徴で思っていたより(完全に偏見で申し訳ありません)寄り添ってくれそうで安心感が増しました。
オーストラリア 新学期は1月
子供が学生ビザを取得すると留学生サポート体制のある学校から選定でき、親はビザありかつ子供がDependantビザの場合は子供は校長先生の入学許可を得ることができれば現地の学校に入学できるようです。
親が永住権を持っていれば現地公立校の学費は無料で、親が学生ビザの場合は子供の学費が割引になるようです。割引率はエリアや学校によって異なりますが10〜20%程度割り引かれることが多いとのこと。
オーストラリアでも外国籍の場合は、インターナショナルスクールか私立校という選択肢が主流のようです。インターナショナルスクール・私立校ともに年間300〜400万円ほどの学費で学校数は多いものの高額な印象です。
カリキュラムとしては公立校も私立校も基本的には同じような内容に加え、私立校の方がやはりさらに手厚いプログラムが含まれている学校が多いようです。
マルタ共和国 新学期は9月
マルタ共和国という国をご存知ですか?私はお恥ずかしながら30歳ごろまで知りませんでした。マルタは現地語のマルタ語も話されていますが英語が公用語になっているので近年日本からも留学先としての人気が高まってきています。
マルタ共和国はイタリアのシチリア島近くにあり、街も世界遺産で美しく治安が良いのが親も子供も安心ですよね。イギリス領だった歴史からイギリス文化も色濃く感じられるという特徴があります。
マルタでも公立校・私立校・インターに加えチャーチスクールという学校がありますが、やはり外国人はインターナショナルスクールか私立校に通うのが主流です。公立校は無料ですが基本的にマルタ語ですし、チャーチスクールは寄付金のみで通えるけれど子供が生まれた時から申し込みを行う人もいるほど、WAITING LISTに載せてもらって空き待ちをしないと入れないようです。
インターナショナルスクールも私立も人気の学校はWAITING LIST制度のようなので、希望やタイミングによっては全て希望通りには行かないかもしれませんが、現地エージェントなどに問い合わせてみると現実的な学校選定がしやすそうです。
小学生のうちは親が子供を送迎しなければいけない国も多い中、国土がコンパクトで治安がいいからかマルタは親の送迎義務などはないようです。
マルタでは90日間まではビザ不要で滞在できますが、年単位の教育移住となると現地に行ってから長期滞在できる学生ビザへの切り替えが必要です。子供の付添であっても親も語学学校に通ったりして親も子供も学生ビザを取得するケースが主流のようでした。
親が語学学校に通わなくてもいい保護者ビザなどがあるかもしれませんが現時点では確認が取れませんでした。個人的にマルタへの短期移住も大いに興味があるので、また追って深掘りしてみようと思います!
マレーシア 新学期は9月
マレーシアは気がつけば移住受け入れ大国になっていて外国人が通えるインターナショナルスクールも私立校も多く、教育方針も多様でした。
なんといっても学費がインターナショナルスクールでも年間50〜200万円と幅はあるものの、IB(国際バカレロア)やケンブリッジ式と呼ばれる国際基準のカリキュラムがあり、私立でも年間50〜100万円程度でアメリカ式・カナダ式・オーストラリア式と様々なカリキュラムが対等しているので我が子に合うカリキュラムはどのスタイルだろうかと教育を選べる環境にあります。
外国からの移住増加によりESLなどの英語学習サポートが多くあるのも移住先に選ばれやすいポイントです。また子供が学生ビザで親はGuardian Passという保護者ビザを取得することができ、12歳からは単身で寮に入ることができるボーディングスクールへ通うことも可能。
マレーシアの長期滞在ができるMM2Hビザ(Malaysia My Socond Home)はマレーシア国内で一定定期預金をすると5年間の滞在と延長更新ができるものですが、MM2Hビザを取得すると外国人として費用負担ありにはなりますが公立校にも通うことが可能なようです。ただ、現地校はマレー語だったり、定期預金額も3,000万円程度、他にも定期所得条件などありあまり利用しやすいビザではありませんでした。
やはりマレーシアの場合も私立校やインターナショナルスクールの方がハードルは低いようです。
インドネシア 新学期は7月
インドネシアは母国語はインドネシア語ですので、外国人が飛び込むとしたら公立でも私立でもなく英語環境で通えるインターナショナルスクールが良さそうです。
加えてジャカルタやスラバヤ・バリなどには日本人学校や日本の教育を受けることができる補習校などがあるようです。必要に応じて利用するとそのうち日本に帰る前提の場合は安心かもしれません。
学費は年間100〜400万円と幅がありますが、学校・学年・エリアなどによってもバラツキがありました。
インターナショナルスクールは外国人はもちろんですが、近年は裕福な現地の子供の就学先としても人気が高まっているようです。インドネシアは良い意味で宗教色が強く信仰心を持つ国民性ですので、日本の神様信仰とも通じ感謝の気持ちを大切にしている教育を感じます。
私は趣味を通じてインドネシアに旅行に行く機会があり現地人と戯れる時間に多く恵まれたのですが、インドネシアにはハワイとはまた異なる南国特有ののんびりとした性格で優しい方が多い印象です。
教育移住に興味を持つきっかけとなったバリのGreenScool含め、ぜひ現地の学校を視察する機会を今後も模索したいと思います。
フィリピン 新学期は8月
フィリピンは英語が公用語なこともあり語学留学先としても有名ですね。私もオンライン英会話サービスを利用中でフィリピンの先生にはお世話になっていて、コロナ期間中でもリアルな友人などよりも頻繁に会話をしていてすっかり身近な国になりました。
エリアとしてはマニラやセブ島が学校も多く、外国人受け入れも慣れている印象ですが、郊外の私立であっても英語の環境には違いないので都市部ではなくてもいろんなエリアでチャレンジできる環境です。公立校は母国語のタガログ語と英語を学べますが、残念ながら外国人は通うことができないようです。
インターナショナルスクールは都市部中心、私立校はどこにでもたくさんあり、インターナショナルスクールではIB(国際バカレロア)とケンブリッジ式が主流です。キリスト教が主のフィリピンなので私立校はモンテッソーリなどのクリスチャン色の強い学校もありますが、生徒はキリスト教でなくても問題ありませんし、モンテッソーリ教育であっても教材やカリキュラムは各学校で異なることもあります。規模や方針、校舎設備もそれぞれですので、それぞれの特徴を踏まえると学校選定がしやすいと思います。
インターナショナルスクールの学費は年間50〜200万円と幅広く、私立校は年間20〜100万円程度と学費の面では調べた中では一番お手頃でした。
長期滞在するときは、30日間滞在可能なビザ不要制度で入国した後、現地で観光ビザの手続きをすることで3年間までビザの延長をすることができそうです。学生ビザは高校生〜大学生の長期滞在では必要なようですが、小中学生であれば就学証明書を学校に発行してもらうことで学生ビザを取得せずとも問題なさそうです。
フィリピンはインフラの面で他の国よりは遅れをとっている部分もありますが、現在は局所的に開発が進んでいるところもあり国民性もインドネシア同様のんびりして優しい方が多い印象です。首都圏に飽きている私にはのんびりした子育て環境は十分魅力的に感じます。
まとめ
まとめる事も楽しく、すっかり長くなってしまいました。各国の細かいところでは追えていませんが、留学に興味がある方はまずどの方面で検討するか、現実的に可能そうかが少し想像できたのではないでしょうか。
私たちは個人の趣向や考え方など様々ですので、ここがベスト!というものはないと思います。適材適所、必要なタイミングで、実現可能な範囲で子育てや人生の充実を図れば、自ずと収まる道に落ち着くのではないでしょうか。
私の調べたことが誰かしらの参考になれば嬉しいです。
先日、フィリピンの現地小学校を視察することができましたのでまた別途まとめたいと思います。お読みいただきありがとうございました!
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